今回は、どのような人が介護福祉士に向いているのかを書いていきたいと思います。

介護福祉士は国に認められた国家資格なので、介護福祉士資格を取得する課程で、介護に関する専門的な知識や技術は否応なしに身に付けることになります。従って、介護福祉士になる前に、介護に関する知識や技術が無くてもまったく気にすることはないと思います。どんな仕事であっても最初はだれでも初心者です。もちろん、介護に関係する社会福祉の法律や状況は変化していきますから、日々学び続ける姿勢は大切です。しかし、なによりも大切なのは「人間が好き」ということではないかと思います。

昨今は、超高齢化社会になり、介護福祉士の需要が増加し、求人もたくさんあります。求人が増え、介護職員の待遇も一時期よりは改善されてきました。それによって、「介護には興味が無いが、手っ取り早く就職したい」という介護職員が増えている現状もあります。しかし、このような介護職員は長続きしません。

また、介護福祉士が国家資格となったことで、「国家資格を取得したい」という資格ありきな方も増えてきたように感じます。介護の仕事がしたいから介護福祉士の資格を取得するのではなく、どれでもいいから国家資格を取得して、安定した就職先を確保したいという動機で介護福祉士になるようでは、介護の仕事は長続きしないでしょう。

介護の仕事は、排泄の介護や入浴の介護など、普通の会社員では経験しないようなことが多々あります。時には利用者に暴力を振るわれたり、利用者が亡くなることもあります。「求人が多いから」というような理由で就職をしても長続きはしませんし、質の高いサービスを提供することも難しいのではないでしょうか。

介護はサービス業

介護の仕事は究極のサービス業です。介護される人間がどのように感じているか、何を求めているかを察知して、対応していくことが求められます。そして、介護される方を人間として尊重することが大切です。日々、介護の仕事をしている中で、忘れてしまいがちなことですが、介護を必要としている高齢者は赤ん坊ではありません。歳を重ねると、少しずつ子どものようになっていく方もいますが、高齢者は赤ん坊ではなく、我々介護者よりもずっと年上の人生の先輩です。それを忘れて赤ちゃんに接するようにしてしまえば本当の信頼関係を構築することはできません。私自身も自分自身では気付かずに、子どもに話すように話しかけてしまい、「私は赤ちゃんじゃない」と言われてしまったことがありました。介護は大人と大人の付き合いなのだということを肝に銘じておく必要があります。

人間嫌いではないということ

人間嫌いの方は、介護福祉士は向いていません。小さなころからお年寄りと過ごすことが好きだったり、一人で過ごすより人と話すことが好きだったりする人の方が、介護福祉士に向いています。

また、「私は学生時代も運動部に在籍したこともなく、体力が無いので心配だ」という相談を受けたこともありますが、体力については仕事をしているうちに自然と付いてきます。最初は大変かもしれませんが、その点はあまり心配しなくてもよいでしょう。

介護福祉士の向き不向きに関しては、それほど気にしなくてもいいと思います。最低限「人間嫌いではない」ということさえ満たしていれば大丈夫です。自分が「人間嫌いではない」ということであれば、アルバイトでもボランティアでも構いませんので、実際に高齢者と接してみてください。実体験をするなかで、「できそうだな」と思うのか、それとも「これは無理そうだ」と思うのか、自分自身の感覚を大切にして、介護福祉士を目指すか否かを決めてもいいと思います。

 

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