我が国では、高齢化が進み、介護福祉士に対するニーズは増える一方となっています。
戦前の平均寿命が50歳程度で推移していたのに対して、現在の平均寿命は80歳を超えています。それに合わせて少子化も進んでいるため、高齢者の全人口当たりの比率は増加の一途を辿っています。
年代別に高齢化比率を見ていくと、日本社会の高齢化がどれほど深刻な状態になっているかが分かりますが、1950年では、12.5人に1人が高齢者でしたが、2015年の国勢調査の統計では、2.3人に1人の割合まで増えています。
このように高齢者が増え、認知症高齢者の問題や、高齢の親を高齢者となった子どもが介護をする老老介護の問題などがニュースでも頻繁に報じられています。
しかし、これだけ介護に関する問題が増えているにも関わらず介護福祉士の年収は安いというイメージがあります。ただでさえ、介護の仕事は3K(キツイ、汚い、危険)などいわれ、敬遠されることもあります。では、実際の介護福祉士の給料はどの程度なのでしょうか?
介護福祉士の平均年収
平均年収は、統計の取り方によってかなり差があります。年収350万円、月額給与220,000円という調査もあれば、2015年の介護従事者平均月額給与287,000円という数字もあります。これは、日本の正社員の平均年収414万円から考えると、決して高い数字ではありません。残念ながら、介護の仕事はあまり給料が高い職業とは言えないのが実態のようです。
しかしながら、待遇や給与水準は年々改善されてきています。2012年には「介護職員処遇改善加算」が導入されたことで、厚生労働省の発表によれば介護職員の平均の月額給料は7千円上がりました。また、2015年の介護報酬改定によって、全体の改定率はマイナスになりましたが、約13,000円月額の報酬アップがありました。
このように少しずつ介護職員の待遇の改善は続いていますが、高齢者の増加に伴って、慢性的に介護職員の不足状態は続いているので、介護職員の年収アップについては引き続き審議されていくのは間違い無いかと思います。
介護福祉士資格で給与が上がる?
現在、介護福祉士の資格は名称独占資格という種類のため、介護福祉士資格が無くても介護の仕事に就くことは可能ですが、資格取得をすることによって資格手当が付き、給料がアップすることが多いです。
また、最近では介護福祉士資格の有資格者が増えてきたこともあり、介護福祉士資格を持っていることが採用条件となっている介護福祉施設も増えてきています。
正直なところ、介護福祉士は好待遇の仕事とは言えません。また、給料だけを目当てに就職したとしても、仕事を続けることはできないと思います。
高齢者の役に立ちたい、困っている人を助けたいという奉仕の精神が必要になります。
だれかの役に立つことが好きな方や、子供のころから高齢者と接しなれている方であれば、介護福祉士はお勧めできる仕事です。