sanfukushishi0226

「介護福祉士」「社会福祉士」「精神保健福祉士」の3つの国家資格は、「三福祉士」と呼ばれています。
日本では1980年頃から社会福祉系の職業を専門職化する動きが始まり、1987年に介護福祉士と社会福祉士資格が誕生しました。1997年には精神保健福祉士の資格が生まれ、これらは三福祉士は、介護が必要とされるお年寄りや、身体的・精神的に手助けが必要とされる方と接する福祉系の仕事で求められる資格です。

三福祉士の有資格者は、現在日本全国で約150万人がいます。内訳は介護福祉士130万人、社会福祉士18万人、精神保健福祉士は7万人となっています。三福祉士には更新制度はなく、一度取得することができれば一生使うことができます。

三福祉士は名称独占資格

「介護福祉士」「社会福祉士」「精神保健福祉士」の三福祉士は、国家資格で国家試験に合格しなければ取得できない資格ですが、介護や福祉の現場で絶対に必要な資格ではありません。
資格には、業務独占資格と名称独占資格があります。まずは、この資格の定義について説明します。

業務独占資格とは

業務独占資格とは、特定の業務について、資格が無い人が業として行うことができない資格のことです。「業として」とは、事業という意味で、営利目的はもちろん、営利目的でないボランティア活動なども、大勢に長期的に実施した場合には、業として扱われます。
たとえば、弁護士業務を行うには、弁護士資格が必要で、資格を持たずに業務を行った場合には、処罰の対象となります。

名称独占資格とは

名称独占資格とは、有資格者でなければ、その名称を名乗ることができない資格のことです。
三福祉士は、この名称独占資格にあたります。ですから、介護福祉士の資格が無くても介護業務を行うことは出来ますが、介護福祉士を名乗ることは出来ません。また、社会福祉士の資格を有していない場合、名刺などに「社会福祉士」と記載することは出来ません。ただし、相談員やソーシャルワーカーといった肩書を名乗ることは可能です。

三福祉士資格取得のメリット

名称独占資格である「三福祉士」は、業務独占資格ではないので、資格を取得してもあまりメリットが無いようにも思えます
しかし、実際の介護現場で働く職員の多くが介護福祉士資格を取得しています。これは、その資格を持っていることで、就職を有利にしたり、就業条件を改善することができるようになるからです。
就職する際には、資格を取得していることは、知識や技術が身についている証明になります。また、施設を運営している職員からしても、無資格者より有資格者を優先したくなるのは当然のことです。

資格による賃金格差

就職した後に資格を取得する方もいます。これは、有資格者と無資格者で支払われる賃金に差が生まれるためです。
無資格で三年間働いた人と、介護福祉士資格を取得してから就業した人がいた場合、賃金は就職したばかりの有資格者の方が多いこともあります。

三福祉士の概要

介護福祉士について

介護福祉士は、ADLといわれる日常生活動作を手助けする介護・福祉のプロフェッショナルです。介護には、ホームヘルパーといわれる訪問介護員がいます。ホームヘルパーが利用者の介護と健康管理を行うのに対して、介護福祉士は、家族からの相談を受けて、介護のためのアドバイスや指導も行います。現場の日常動作を手助けだけに留まらず、施設の紹介や医療機関との連携など、その業務は多岐にわたります。

社会福祉士について

社会福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」で「身体上もしくは精神上の障害があること、または日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、その他の支援を行う」と定義されています。社会福祉士は、市役所や福祉施設、老人介護施設で、日常生活に不安を抱えている方の相談を受け付けます。相談者のニーズや問題に真剣に向き合い、解決に必要な支援を受けることができるようにサポートしていきます。

精神保健福祉士について

精神保健福祉士とは、1997年に「精神保健福祉士法」によって定められた国家資格です。精神に障害があり入院していた人が退院するにあたり、社会復帰への手助けをするのが主な仕事です。具体的には、退院援助、家族への支援や社会生活を送る上での支援を行います。名称独占資格ではありますが、現在では精神保健福祉士の資格を有していることが必須条件になっている職場も多くなってきています。

三福祉士は簡単ではない

三福祉士の資格を取得するのは、決して簡単なことではありません。また、三福祉士の資格を取得して一生懸命働いても、福祉系の仕事はどんどん儲かるようなことはありません。
ただ、「ありがとう」と言ってもらえる機会の多い職場ではあります。「あなたがいてくれたおかげで助かりました」「あなたのおかげで安心して生活することが出来ました」など、多くの困っている方の役に立つことができます。
人の役に立つことを自分の喜びとして感じることができる人、困っている人の役に立ちたいを思っている人は、これら三福祉士の仕事を目指してみてはいかがでしょうか。

 

三福祉士の資格取得が可能な福祉系専門学校の一覧はこちら